妖精界へ・・・

「ほら、ミルフェス」
「エルフェスお姉ちゃん!ここぐらいならから出れるよ!」
「もう・・・」
 暗黒界、魔女国。ドラゴン国との境界にある崖から私の妹・ミルフェスが転落した。お転婆娘め。
「誰か呼んでくるから。あ、お母さん呼ぶわね」
「お姉ちゃんは大人っぽいなー」
 私は8歳、妹は4歳。もう一人妹がいる。生後8ヶ月。
「急がなきゃ」
 私は走った。

「お母さ・・・」
 大声で呼ぼうとすると、更に大きな声が聞こえた。
「離婚ですって!?」
「ああ、そうだ」
「納得出来ないわ!」
「んじゃあ、俺新しい女呼んでくる」
 離婚・・・。隣の人もしてた。どういうことなの・・・?
「おお、エルフェス。今から新しいお母さん呼んでくるからな」
 お父さんは笑顔で言う。
 お母さんは、一番下のリルフェスを泣きながら抱えて出ていった。
「・・・お父さんなんて大嫌い!」
 私は泣きながら走った。

「え!?」
 私は、大事なお母さんから譲り受けた金髪を触りながらミルフェスに話した。
「よく分かんなーい」
「・・・そうよね。あ、叔父さん」
「よお!大変だなー」
「・・・叔父さん」
「最近妖精界っていう世界が出来たらしい。行ってみればいい」
 私は喜ぶ。嬉しい!
「行こう!ミルフェス!」
「うん!」

「何歳と何歳?」
「8歳と4歳です」
「ほう。よし、通れ」
 私は期待しながらその扉へ一歩踏み出した。

「ここ・・・?」
「凄ーい」
 すると、近くの人が。
「君たち、赤き紋章知らないか?」
「あかきもんしょー?」
「いえ知りません」
 その男の人はがっくりしながら歩いていった。
「あの女性・・・」
 不思議な感じの女性。どこの人だろう。
「ま、いいか。行こう」
 私とミルフェスは北大陸に住むことにした。

 それから何年も穏やかに過ごした。あの赤き紋章は気になるけど。
 そして私が23歳のとき、運命の出会いをする。
 元々、私とミルフェスは魔力に優れ、頼られていた。19歳のミルフェスはさっさと結婚したけど。
「あら?あの人・・・」
 15年前も見かけた不思議な女性。むすっとした顔をしていた。
「どうしました?」
「別、に」
「・・・そこの小屋に行きましょうか」
「・・・」
 とにかく無口な女性。魔力は結構あるみたいだけど・・・何なの?

「私は、エリス。アルゲニオ様、により、作りだされた、守護神」
「そう。滑舌と感情苦手のようね」
「・・・」
 また黙ってしまった女性。はあ。今後どうなるのかしら。