第1話 皆の好み

「わあ、レストランなんて久しぶりだ!」
「モモ、はしゃぎすぎてころぶなよ」
「そ、そんなことしないもんお兄ちゃん」
 今日はセトさんがたまったバイト代で外食しようと提案してきた。マリーちゃんは目を輝かせてた。カノさんも賛成してたけど団長さんはというと・・・。
『そんなにお金あるのか?』
 と聞いてたっけな。団員なのに疑うの?
「へぶっ」
「きゃあ」
 私はコノハさんにぶつかり、マリーちゃんは何もない床で滑った。
「おいしそう・・・」
「ほら、コノハ。席につけ」
「うん」
 ちょっと動作が遅いコノハさん。ヒビヤくんがつついてる。
「早く行けよほら」
「相変わらず口悪いね」
「なんだよおば・・・モモ」
「いいえ、何でもありません!」
 席につくとさすが9人ということもあり団長さん、カノさん、セトさん、マリーちゃんは別の近くの席。私、お兄ちゃん、コノハさん、ヒビヤくん(とエネちゃん)で席についた。
「ねえこの並びって何?」
『団員No.順ですよ妹さん。1〜4があちらで5〜9がこちらなんです』
「あ、そうか」
「で?何頼むんだ」
「僕はね、このねぎまとつくねとあと・・・」
「どんだけ頼むんだよコノハ」
「ほどほどにしとけよ」
 向こうから団長さんたちの声が聞こえる。
「よし、俺はカレーだ」
「うっわお兄ちゃんダサ!私はね、カツカレーにあんみつトッピングしようかなあ」
「・・・モモ、それ人間の食べ物じゃないよ」
「あ、ステーキもおいしそう・・・!」
 よだれをたらしながらコノハさんはメニューを見ている。
「ちょっと!どこがおかしいの?」