2.不安な情緒、gift

 ある日、カスパルが珍しく家にいた。
「どうしたの?」
「最近、なんか不安で眠れないんだ・・・」
「・・・そう」
「なあ、どうすればいいと思うか?」
「さあ?」
「・・・」
 彼はまた黙ってしまった。不安、なのね・・・。

「ジュリア、彼が最近情緒不安なんだって」
「ふうん。なら、いい薬があるわ。作り方教えようか?」
「教えて!」
 ジュリアが“よく眠れる薬”だと言って作り方を説明してくれる。私は気付いた。
(これって・・・毒薬giftの作り方じゃないの!)
「・・・という風に作るの。わかった?」
「う、うん」
 ジュリアは勘違いしているのかな?まあとりあえず渡そう・・・。

カスパル、寝れないんでしょう?」
「ああ・・・」
「なら、このよく眠れる薬を飲んで」
「ありがとう・・・」
 飲んだ瞬間、彼は倒れた。ど、どう・・・して・・・?
「マル・・・ガリータ・・・何・・・を・・・」
 彼はそのまま永遠の眠りについてしまった。ああ、どうして?でも、悲しみの気持ちはない。どうしてかなあ・・・?

 親にも、フェリクス伯爵にも渡した。とにかく、ここにいる人に・・・!
 ああ、私、幸せだわ!