貴族の世

 300年。平安時代が始まった。すっかり本島の中心部では、立派な着物を着る貴族が見られる。本島の北にあるティラミス共和国はまだ農業と漁業と林業の国なのに。
「ふう。どこに行こうかしら?」
 正直、ここは息苦しい。雅な雰囲気だが、私は好きではない。
「大魔導師様!」
 何やら、声が聞こえてくる。男の嘆くような声。
「そう私のあだ名を言わない。ロロレー様とお呼びなさい」
「はい!」
「全く・・・。おや?誰ですか?」
「あ、すみません・・・」