再生

「声だけ聞こえるわね」
 どこから歌っているのかわからなかった。でも、 『平和』を願っていた。
「カミーラ、ラベンダーはどこにいるのですか?」
「トーシア国の牢獄よ」
「…そうなのね。さてと。片付けましょう」
 近くに、いろんな人が現れる。
「シャノン、トスン、マーク。あなたたちは、あの2人を追って。ジュン、タク。あなたたちは武器の準備と魔法の準備」
 サルシェニア先生が言う。よし、やるか!

「これでいい?タク」
 俺たちの持つ武器は、パースエイダーなど銃ばかり。剣や槍は少々。
「さあ、行こうぜ」
「うん!」
 俺たちは、笑顔になった。

「…いない」
「どこだろうか」
 エファスとスミニア。俺は辛かった。自分の娘とその恋人。俺は、何も知らない…。
「マーク、大丈夫?」
「戻ってもいいけど」
「…大丈夫だ。これは俺への試練なんだ」
「そう」
 コンペイトウ湖近くの森の奥。豪邸があった。
「これは…」
 一部焼失しているものの、綺麗な外見。2000年ぐらい前に栄えたノスマラ王朝の王宮だろう。
「綺麗ね…」
「入ろう。汚さないようにな」
「ええ」
 やっぱりいた。玄関広間で、2人は立っていた。
「ようこそ。ノスマラ王朝へ」
 スミニアが呟く。…はあ?
「私は、ノスマラ王朝の子孫です」
「…なるほど。そうか」
「納得するな!トスン!」
「へいへい」
 微笑むスミニア。服装はかなり派手だ。
「父は錬金術師でありながら、祖先の王宮を守り続けてきました。そして、3年前。私にここを守る権利を譲ってもらいました。エファスは、父と話し合い、私の妻になります」
「…おい!エファスの父には聞かないのかよ!?」
「ふふふ…。そりゃあ、こっちで決めますから…」
「お父様には悪いけれども、もう決まったの。そう、アクシリア王国をもう一度ノスマラ王朝にするのよ。素敵な計画でしょう?」
「…」
 俺らは、黙りこんでしまった。どうすんだよ…。
「待ちなさい」
 そこにアクシリア様が現れた。