失敗

「あらあら。失敗したわね…」
 ふっふっふっと笑う老婆・サルシェニア。俺は、この非常識な老婆先生が嫌いだ。
「さて、後片付けしましょう」
「…」
 今日も特に進まなかった。皆が「やめとけ」と言った理由が分かった。
「【時計】はいつするんですか?」
「分からないのね…。もうしているわ。時計というのは時空を操る魔法の総称よ。習わなかったの?」
「…。俺は選択しませんでした」
 3年の選択。俺は、星の講義を選んだ。俺は、こいつについていっただけだ。
「もう!私についてくから!」
 俺は、さっきも言った通り、この老婆先生が嫌いで、そこにはついていかなかった。
「ええと、ジュン。俺よく分かんないんだけど」
「まあ、卒業まで分かるから、安心しな!タク!」
 俺とジュンこと玉城潤子は双子。テルマッセ国出身だ。俺の名前は、玉城拓也。
「ともかく、今日はジャスミンさんの家に行きましょうか」
「ええ!?お、王宮に!?」
 時計科を選択したのは、ジュン、俺、ジャスミン王女の3人だけだ。どうせ今年でここは最後だと老婆先生は笑っていた。
「最近休んでいたな…。トーシア国の王女」
「さあ、行きましょう」

 トーシア国で俺たちはショックを受けることになった。
ジャスミン様?ああもうシンシア王妃とルローレ王に政権交代したよ」
「今、どこにいますか?」
「地下牢だよ。何の用だ」
ジャスミン様の選択した科の教師と、ジャスミン様の同級生ですのよ。最近来ないですから…」
「いいぞ。通れ」
 広い王宮。その地下牢。ジャスミン様はいた。
「こんにちは。何をしたの?」
「…先生。私は、時の実験を…」
「早すぎるわよ。ほら、ジュンとタクも心配しているから…」
「今の王を殺しかけました。しばらくここで反省します」
「そう」
 老婆先生の殺気。俺らは帰ることにした。

「世界滅亡!」
 私はその夢を早く実現させたい。