18歳〜今

「初めまして!」
 月9に主演が決定し、主役のホムロ役の小田翔悟と会った。私は初めて会ったと思っていた。
「おや?由紀ちゃん。久しぶり」
「え?」
「高校の元クラスメイトだよ」
「ええと…」
「小田輝だよ。あ、こっちの新井江梨ちゃんは初めてだね」
「はーーー!?」
 小田輝と言えば、学年1のダサ男として有名だった。そいつが…そいつが…。
「まあ、よろしく」
「ど、どういうこと!?」
「私も分かんない…」
 私は仕事を続けながら、国立大和大学に通うことにした。そこには、小田もいたが、不思議と怒ろうとは思わなかった。
「可愛いね、由紀ちゃん。太一君の会員クラブNo.2になりたい」
「…そう」
「付き合ってくれない?」
「え!?」
 突然の告白。とりあえずOKした。
「今度、ショッピングに行こうよ」
「うん!」
 私がしたいことをともかく何でも叶えてくれた。自然と好きになっていき、大宮学園高等部第123期生の同窓会があると知った。私は行くきはなかったが、とりあえず行くことに…。

「そういうことか」
「うん。ごめんね、翔」
「別にいいよ」
「翔悟とは別れる。女優の仕事も、今撮影している3本のドラマを最後に、1年間ぐらい休むことにする」
「そうか…」
 由紀は、久々に大広間に行きたいと言い出した。そして行くことに。
「久し振り!」
「ヒサシブリ」
「人形さーん!!私だよー!!」
「ア ユキ ヒサシブリ」
「うふふふ」
 楽しそうに話す人形と由紀。
「ねえ、出掛けない?」
「ああ」

「懐かしいね〜。大宮学園の新校舎、じっくり見たい」
「ああ、そうだな」
 いなくなった由紀は、大宮学園の新校舎を一度も見ていない。今は夏休みだし…。
「うわー!凄い…」
「だろ?」
 綺麗になった新校舎は、耐震防火防音である。嬉しくて、大声で叫んだ奴もいたな。
「寮の新設か…」
 最近、高等部の生徒で遠くの町から来ている人もいるようで、寮がないと不便だと話し合ったらしい。(太一の母は大宮学園高等部の2、3年の国語教師なのでそこから)
「由紀、気を付けろよ…。ん?由紀?」
 由紀がいない。
「うわあああああああ!!!!!!!!」
 由紀が、工事現場のすぐ側に倒れていた。