死神少女・降臨

「ねぇ、死にたいよ…」
「死なせてア・ゲ・ル」

「ん?何か言ったか?由紀」
「別に〜」
 さっき何か声が聞こえた。不思議だ。
「なあ、由紀。死神少女って知っているか?」
「死神少女?」
「ああ。お父さんが陰陽師とかで、まじないができるんだ。名前は、島田愛華。俺達のクラスメイトだ」
「そんな人いたっけ?」
「いますよ〜ふっふっふっふっ」
「わぁっ!」
 黒い前髪を切り揃え、後ろは腰まで。その後ろも切り揃えられていた。
「私、影薄いですから〜。羽戸芽神社に来たら私、いますから〜。」
「……そうなんだ」
 なぜ死神少女か聞きたかったが、本人の前であったから止めた。

「おい、島田。どうした?」
「先生〜。私、気分悪いです〜。保健室に行きます〜」
「そうか…」
 3時間目の数学の授業。先生が黒板に少し書いただけで、島田さんは気分を悪くした。
「保健委員の杉田と倉田。今日は心配だ。ついていけ」
「はい」
 俺らは保健委員になった。でも、こういうことはなかった。新鮮だ。

「島田さん」
「あ〜。朝の杉田さんと倉田さん〜」
「どうしたんだ?」
「私、数字ダメなんです〜。死神少女というあだ名もそこからで…」
 彼女が話した事を要約すると、小学校の算数の時間。死神のような顔をしていたらしく、男子とかが笑った。『まるで死神だ!!!』と、とある男子の一言から…。
「ですから、数学は0点ですよ〜。テストは見たくもないです〜」
「…そうなんだ」
 笑顔でとりあえず答えた。
 しかし…

「え?」
 次の日…とてつもないことが起きた。