少女ノ思イ

「リウレーーーーーーー!!!大人しくしろっ!!!!」
 由菜さんがたまに話す、熱血ベテラン刑事の和田幸彦さん。その人が叫ぶ。
「痛いわ…」
 よろよろと亜希子さんがやってきた。さっきので、怪我をしている。
「リウレ…あいつは恐ろしいな」
「でしょう?」
「フフ…ヤットハジマルワ…」
「リウレ!!」
 リウレが笑いながら言う。(すごく不気味)
「ともかく…確保だ!!」
「デキルノカシラ?」
「…」
 警察の人が確保しようとしているが、リウレが飛ばす。そこに。
「リウレーー!!やっと恨みを晴らせるわ…それと、無許可で人間界に行ったでしょう?それは違法よ!もう一度封じるから…」
「誰だ!?」
「永久の時を生きる魔術師、エルフェス・ヴィルソン!」
 その女性は地面につくような金髪で、美しい。思わず見とれてしまう。
「遅れた。私は妖精界の守護神、エリス」
「私は、エルフェスの子孫、エリ・ヴィルソンです」
 3人の美しい女性。エリスは背中までの赤毛、エリは腰まである茶髪。
「ク…」
 状況がさっぱりわからない警察と野次馬達。とりあえず様子を見ることにした。
「なぜ、封印が解けた?あの雷神様が封じたというのに…」
「ワカンナインダ…3ニンノシスター。アイツラノオカゲデ…」
「最近、人間界で捕まったというユラ、アマネ、クララの事?下級悪魔ね…。あいつら、協力していたのね」
「ソウダ。フッ、ナニモデキナイモノマデキテ…」
 俺は頭の中で整理を始めた。あの3人のシスターは死んだ人間か何かのようだ。そして今、リウレと話している3人も人ではないということだ。しかも…話が難しい。小声で由紀に聞いてみた。
「由紀、分かるか?」
「分かんないよ」
「何を話しているんだ?」
「さぁね」
 そして、ふっと顔を上げると、リウレが真上にいた。
「う、うわあああああああ!!!!」
「オドロカナクテモイイ。アンシンシロ…」
「エリス、封じて!」
「いや、私は出来ない。エリ、やってみろ」
「はい!ちょうど切れていたところなんです!!封神雷法、ウ・カムクチャ、サルスバレ…エヒニア・ヴェルルーシ!」
 リウレが光に包まれ、消えた。琥珀色の石が残る。
「これ、持ち帰りましょう」
「そうね。エリス、帰りましょう」
「ああ」
「待ってください!ありがとうございます!警察でも出来ない事を…」
「いえ。ただ単に、リウレが逃げたと聞いて来ただけです」
「行こう。エルフェス先生」
 こうして、リウレはいなくなった。

「怖かったね…」
「ああ」
「でも、かっこよかったな…」
「あのっ!今までありがとうございました。私、二条学園に明日から行きます!」
「うん。分かったわ」
「最後は笑顔で…!」
 3人で笑った。こんなに笑うなんて久々だ。



注:亜希子というアイドルがいるようですが、別人です。