由紀の変貌の理由

「え?由紀さんに会った?どういう人?」
 刑事課に同じ年に入った住田誠。あの住田さんの弟だ。
「新井由美だった。クラスメイトに、小田翔悟がいた」
「え!?じゃあ…」
「俺の結婚する確率が下がった」
「そこ!何話しているの?」
 由菜さんがやって来た。
「由紀さんのことで…」
「え!?居場所分かったの?」
 俺は昨日の事を説明した。2人とも興味津々だ。
「ふーん…。由紀、女優になったのね」
「それに、翔を好きではなくなったみたいで…」
「それは一大事よ!!翔、頑張りなさい。1週間仕事をオフにするから」
「え…」
「由紀に理由を聞くのよ。一体、7年間に何が起きたか…」
「はい。しかし、女優ですよ?」
「大丈夫。由紀が戻って来るから」
「?」
 夕方までこの言葉の意味が分からなかった。

「もう、何なのよ」
「翔とじっくり話し合い」
「はあ!?」
「まあ、そういうことよ」
 由菜さんが出ていき、気まずい雰囲気。思いきり由紀に聞く。
「一体、北海道に行ってから何があったんだ?」
「教えてあげるよ」
 由紀は7年間の空白を喋りだした。