死神少女・破滅

「愛…華?」
「怖かったの。怖かっただけなの。許してよ。ねぇ、ねぇ…」
「い、一体…」
「ダメ!近づかない方がいいわよ。両親を殺した時の愛華の状態になっている。だから…ね」
「もっと…もっと…」
 創立120年らしいこの劇場。大丈夫なのだろうか…?
「ダレカ コロシタイ」
愛華…。皆さん、ここに残っていて」
「はい」
 そして…羽戸芽市方向へと向かった。

「!?」
 2時間後。小さな青い石を持って愛菜さんは戻ってきた。
「…あの子、小さい頃から人を殺していた。私もわからなかった。愛華のことを…。今はここに封じるしかなかったの」
「そうですか…」
 警察も撤退し、人もまばらになった劇場。愛菜さんが、少し話してくれた。
「ここはね、オペラ歌手だったお母さんがよく公演していたの。愛華はね、『アイーダ』を気に入っていたなぁ」
「…」
 俺たちは何も言えなかったがな…