倉田家の遺産と秘密 2

「困ったなぁ…」
「どうするの?神はいないし…そうだ!私が…」
「おいおい…」
 バンッと勢いよく扉を開けると、真っ赤な右目と、鼻より上に包帯がある顔のリウレが現れた。
「死になさ〜い!!」
 勢いよく蹴る由紀。リウレは倒れた。
「ナゼナゼナゼナゼナゼナゼナゼナゼ…?」
「…リウレ、やっと…」
「!?」
 現れた赤いドレスの女性。
「私は倉田由菜。由紀、あなたの姉よ」
「え…」
「ふふふ。相変わらずね。この子…私がどうにかしておくから」
「お姉さん…?」
 由紀が呆然としている。多分12年ぶりの再会だ。
「借金なんてなかった…2000年3月24日の時点で、返済し終えていた。新しい借金もなかったし…」
 哀れんでいるような声で言う由菜さん。じゃあ、何故自殺を…?
「わざわざ九州に旅行に行って、何故自殺したのかしら?」
「さぁ…?」
「ねぇ、私達で解決しようよ!!」
「はぁ!?」
「警察も解けなかった事件…私達が…ふふふふ」
「私、警察なんだけれど」
「え!?」
「資料を提供するわ。頑張りましょう」
「おー!」
 なんか俺まで巻き込まれていた。

「大宮家とはとても友好的だった。その他は…」
「『書道界から追放!?倉田家に隠された秘密!?』…担当刑事、噂も書いているな」
「…あの遺書、偽造かな?」
「そうよ。お母さん達、そうとうな機械音痴だったんだから」
 パソコンで書いてあった遺書。機械音痴なら無理だ。
「誰が渡してくれた?」
「優実義姉さんよ。まさか…」
「今、いるかしら?」
「確か…明日、パリに行くって」
「急ぐわよ!」
 俺も行くことになった。…どうなるんだよ。